LG CordZero A9 レビュー 2024|スペックと吸引力を徹底解説

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みなさん、こんにちは。スワローインキュベート代表の大野です。

LG CordZero A9は、韓国国内で圧倒的なシェアを誇るコードレス掃除機のフラッグシップモデルです。

「コードレス掃除機といえばダイソンでしょ?」という声をよく聞きますが、韓国では話が違います。CordZero A9シリーズはLGが独自開発したモーター技術と二重タンク式の集塵システムを武器に、韓国市場でダイソンを大きく引き離して首位に立っています。韓国テックコミュニティでも「가성비(コスパ)と技術力のバランスが絶妙」という評価が定着しています。

今回はエンジニアの視点から、CordZero A9の内部技術・スペック・設計思想を公式データとメディア情報をもとに徹底的に分析していきます。


CordZero A9とは?LGが本気で作ったコードレス掃除機

LG CordZero(코드제로)シリーズは2016年に登場し、A9はそのフラッグシップライン。2024年モデルはA9T、A9K、A9S(Steam)などのバリエーションに展開されており、それぞれ集塵方式・アタッチメント・充電スタイルに違いがあります。

注目すべきは「올인원타워(オールインワンタワー)」と呼ばれる充電スタンドシステムです。掃除機本体を立てかけると自動で充電が始まり、複数のアタッチメントも一箇所に整理収納できます。このあたりの設計はLGのホームアプライアンス部門が「見える収納・使いやすさ」を突き詰めた結果で、韓国の住居文化(마루=板張りのリビングフロア)にも合わせた設計になっています。


エンジニアが注目するCordZero A9の内部技術

LG独自開発モーター「인버터 DD모터」

CordZero A9の心臓部はLGが独自開発したインバーターDDモーター(直接駆動モーター)です。

一般的なコードレス掃除機のモーターは毎分約10万回転前後が多いですが、LGのDDモーターは毎分約140,000回転を達成しています。回転数が高いほどサイクロン気流の遠心力が増し、微細なホコリを効率よく分離できます。

また「DD(Direct Drive)」の名前が示すとおり、ベルトや歯車を介さず電気信号でモーターを直接制御する方式です。これにより:

  • 機械的なロスが減りエネルギー効率が向上
  • 回転数を電子制御で細かく調整できる
  • ベルト摩耗がないため長寿命

という3つの恩恵が得られます。ダイソンのデジタルモーターV12が毎分約125,000回転であることを考えると、回転数スペック上はLGが上回っているのが面白い点です。

二重タンク式サイクロン集塵システム

A9シリーズの大きな差別化ポイントが「이중 사이클론(デュアルサイクロン)」と「먼지통 분리 방식(ダストビン分離方式)」です。

韓国の家庭は畳文化でなくフローリングや韓紙床が多く、ペットの毛・食品の粉・花粉などが床に直接落ちやすい環境です。A9はダストビンを「大ごみ用」と「微細粉じん用」の2層構造に分けており、掃除後に大ごみだけを先に捨てて微細フィルターは別途清掃できる設計になっています。

これはエンジニア目線で見ると「フィルターの目詰まりタイミングをゴミの種類別に分散させる」という合理的な設計思想です。


CordZero A9 2024年モデル スペック比較表

2024年に展開されている主要モデルをまとめます。

項目 A9T (ハイエンド) A9K (スタンダード) A9S (スチーム対応)
最大吸引力 200W 200W 140W
モーター回転数 約140,000rpm 約140,000rpm 約100,000rpm
バッテリー 3,200mAh × 2本 3,200mAh × 2本 3,200mAh × 1本
最大稼働時間 約120分(標準モード) 約120分(標準モード) 約60分
集塵容量 0.5L 0.5L 0.4L
重量(本体) 約1.1kg 約1.1kg 約1.3kg
スチーム機能 なし なし あり
充電スタンド オールインワンタワー コンパクトスタンド オールインワンタワー
スマート連携 ThinQ対応 ThinQ対応 ThinQ対応

※公式スペックシートおよびLG韓国公式サイトの情報をもとに作成(2024年時点)

A9T・A9Kは2本のバッテリーを交互に使うことで最大120分という長時間稼働を実現。A9Sはスチームノズルを搭載し、床の除菌まで対応するモデルです。用途に応じて選択できる点がシリーズ設計のうまさですね。


CordZero A9のバッテリー設計:着脱式2本運用の意味

コードレス掃除機で最大のネックはバッテリー切れです。A9Tが採用する「バッテリー2本交互運用」は、この問題に対してLGが出したひとつの回答です。

1本使い切ったらスタンドに戻しながら予備バッテリーに差し替えて継続稼働できるため、広めのマンションや戸建てでも1回の充電待ちなしに全室掃除できます。

3,200mAh というバッテリー容量は、スマートフォンのバッテリーとほぼ同じサイズ感。電池セル自体はLGが長年培ってきたリチウムイオンセル技術がベースになっています(LGのバッテリー部門はLG Energyとして分社化されていますが、グループとしての知見は引き継がれています)。

また、バッテリー自体がユーザーで着脱・交換できる設計は「バッテリーの消耗寿命=製品の寿命」にならないという点で非常に合理的です。ダイソンのV15等がバッテリー交換にやや手間がかかるのと対照的なアプローチですね。


LG ThinQとの連携:スマートホーム統合の視点

CordZero A9はLGのスマートホームプラットフォーム「ThinQ(씽큐)」に対応しています。

ThinQアプリからできることは主に以下です:

  • フィルター清掃タイミングの通知:モーターへの負荷をセンサーで検知し、フィルター掃除の目安をアプリで教えてくれます
  • 稼働履歴の記録:いつ・どのくらい稼働したかのログが残ります
  • モーター診断:異常振動・異常電流が検知された場合のアラート

ここはエンジニアとして興味深い部分で、LGはThinQで家電のIoT化を統一プラットフォームで進めており、エアコン・洗濯機・冷蔵庫・掃除機がひとつのアプリで管理できるエコシステムになっています。以前当ブログで取り上げたLG TROMM ドラム式洗濯機LG Styler スタイラーも同じThinQプラットフォームで管理できるので、LGで家電を統一したい方にはシナジーがあります。


韓国での評価と市場ポジション

韓国の家電比較サイト「다나와(ダナワ)」や「에누리(エヌリ)」でのCordZero A9の口コミを見ると、以下の点が高評価を集めています:

  • 「무게가 가벼워서 오래 써도 안 피로해(軽いので長時間使っても疲れない)」
  • 「먼지통 비우는게 다른 제품보다 간편함(ダストビンの処理が他製品より簡単)」
  • 「2개 배터리로 집 전체를 한 번에 청소 가능(バッテリー2本で家全体を一気に掃除できる)」

一方で気になる点として挙げられるのは:

  • 吸引力モードを最大にするとバッテリー消耗が早い(強モードだと稼働時間が1本あたり約20〜25分程度)
  • フィルター清掃は定期的に必要(水洗いできるウォッシャブルフィルターなのでコスト負担はないが手間はある)

こういった情報は日本語でなかなか出てこないのですが、韓国語で直接読めると実際のユーザー声にたどり着けるのが強みです。


ダイソン V15との簡易比較

「結局ダイソンとどっちがいいの?」という疑問に答えるために、スペック面だけ簡単に整理しておきます。

項目 LG CordZero A9T Dyson V15 Detect
最大吸引力 200W 240AW
モーター回転数 約140,000rpm 約125,000rpm
バッテリー運用 着脱式2本交換 固定式1本
最大稼働時間 約120分(2本運用) 約60分
レーザー検知 なし あり(ダスト検知)
スマート連携 ThinQ対応 Dysonアプリ対応
フィルター ウォッシャブル ウォッシャブル

吸引力の単位がW(ワット数)とAW(エアワット)で異なるため単純比較は難しいのですが、実際の吸い取り性能でいうと「ハイパワーなのはダイソン、長時間稼働と取り回しの軽さはLG」という評価が韓国・日本両方のメディアで共通しています。


こんな人にCordZero A9をおすすめします

公式スペックと韓国ユーザーの声を総合すると、CordZero A9は以下のような方に特に向いていると判断できます。

広い間取りの家に住んでいる(2LDK以上):バッテリー2本運用で長時間稼働が最大の武器
LGのThinQエコシステムで家電を統一したい:Styler・洗濯機・冷蔵庫とアプリ一元管理できる
コードレス掃除機に軽さを求める:本体約1.1kgは業界トップクラスの軽量設計
フィルター交換コストを抑えたい:ウォッシャブルフィルターで消耗品費用がかからない

逆に、カーペット中心の部屋でパワフルな吸引を最優先したい方はダイソンV15の方が向いているかもしれません。


まとめ

LG CordZero A9は「軽量・長時間・スマート連携」を3本柱にした、韓国が誇るコードレス掃除機のフラッグシップです。

毎分140,000回転のインバーターDDモーター、着脱式バッテリー2本による最大120分稼働、ThinQによるIoT連携と、エンジニア目線で見ても技術的に見どころの多い製品です。「ダイソン一択」という先入観を持っている方にこそ、一度スペックをフラットに見比べてほしいなと思います。

韓国市場での圧倒的な支持と、設計の合理性を考えると、2024年においても十分に選択肢に入るコードレス掃除機だと断言できます。

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東京外国語大学 朝鮮語専攻卒。韓国語歴26年、ダナワ・퀘이사존・인벤など韓国テックメディアを日常的に読んで一次情報を収集。株式会社スワローインキュベート代表。AIエンジニアとして顔認証・なりすまし判定システムをC++/Pythonで開発。趣味は自作PCで、複数台を一から組み上げた経験を持ち、社内稼働中のデスクトップはすべて自作。Samsung・LG・Galaxyなど韓国テック製品を、現地の声・エンジニアの目線・自作PCユーザーの実感で深掘りします。

大野 寿和 (Ohno Toshikazu / 오노 토시카즈)をフォローする
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