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LG ThinQ ON スマートハブ レビュー2025|機能・スペック・使い勝手をエンジニア視点で解説
みなさん、こんにちは。スワローインキュベート代表の大野です。
LG ThinQ ON スマートハブは、LGのスマートホームエコシステムを一元管理するための中核デバイスです。 Matter・Zigbee・Z-Wave・Wi-Fi・Bluetoothといった主要なスマートホームプロトコルをすべて1台でカバーしており、「とりあえずこれを置いておけばLGのスマートホームが動く」という立ち位置の製品です。
「SmartThingsがあるSamsungに対して、LGはどう答えを出すのか?」という問いに対するLGの回答がこのThinQ ONだと私は理解しています。韓国テックメディアの情報を直接読みながら追いかけてきた製品なので、今回はエンジニア視点も交えながらしっかり整理してお伝えします。
ThinQ ONとは何か?LGのスマートホーム戦略における位置づけ
LGはThinQ ONを「AIホーム・ハブ」と位置づけています。単なるスマートスピーカーでも、単なるブリッジデバイスでもなく、AIによる家電の自律制御を実現するためのローカル処理ゲートウェイというのが正確な表現です。
韓国では2024年後半から本格展開が始まり、2025年現在はLGの主力スマートホーム製品として国内外で注目されています。特に韓国国内では아파트(アパート)文化と相性がよく、冷蔵庫・洗濯機・エアコン・空気清浄機といったLG家電をまるごとThinQ ONで束ねるユーザーが増えています。
LGのAI家電戦略については、LG AIスペースケア|空気質センサーと自動制御の仕組みを韓国現地情報で解説でも詳しく触れていますので、合わせて参考にしてください。
ThinQ ON スペック詳細
エンジニアとして、まずはスペックをきちんと整理します。
主要スペック表
| 項目 | 詳細 |
|---|---|
| 製品名 | LG ThinQ ON(型番:HUB1) |
| 対応プロトコル | Matter / Zigbee 3.0 / Z-Wave / Wi-Fi 6(2.4GHz / 5GHz) / Bluetooth 5.2 / Thread |
| プロセッサー | クアッドコアプロセッサー(ローカルAI処理対応) |
| メモリ / ストレージ | 2GB RAM / 8GB eMMC |
| 接続端子 | USB-C(電源)/ 有線LAN(Ethernet) |
| ディスプレイ | 4インチ タッチスクリーン(コントロールパネル) |
| スピーカー | 内蔵スピーカー(音声フィードバック用) |
| 電源 | ACアダプター(DC 12V) |
| 寸法 / 重量 | 約130 × 130 × 35mm / 約350g |
| 対応OS連携 | Android / iOS(ThinQアプリ) |
| Matter対応 | ○(Thread Border Router兼務) |
| クラウド不要動作 | ローカル処理対応(一部機能はクラウド依存) |
| 発売時期 | 2024年(韓国) / 2025年グローバル展開 |
プロトコル対応の意味をエンジニア目線で解説
ここが一番重要な部分なので、少し丁寧に説明します。
ThinQ ONが対応しているMatterは、Apple・Google・Amazon・Samsungなどが共同策定したスマートホームの統一規格です。このMatterに対応していることで、LG家電だけでなく、対応しているサードパーティ製品(照明、センサー類など)も同じアプリから制御できます。
さらにThread Border Routerを内蔵していることが地味に重要です。ThreadはMatterの物理的な通信規格のひとつで、低消費電力のメッシュネットワークを構築します。Thread Border Routerがあることで、Threadデバイスをインターネット(IPv6)に橋渡しできるわけです。ハブ1台でThread・Zigbee・Z-Waveをすべてカバーできるというのは、同価格帯の競合と比較してもかなり充実した構成といえます。
Zigbee 3.0とZ-Waveの両対応も見逃せません。すでに市場に流通しているスマート家電・センサー類の多くはZigbeeかZ-Waveで動いています。これらを別途ブリッジなしに接続できるのは、既存のスマートホーム資産を活かしたい方にとって大きなメリットです。
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ThinQ ONの主な機能
1. AIルーティン(自動化シナリオ)
ThinQ ONの目玉機能がこのAIルーティンです。単純な「〇〇したら△△する」というif-thenルールではなく、生活パターンをAIが学習して自動的にルーティンを提案・実行してくれます。
例えば「毎朝7時に起きる傾向がある」と学習した場合、起床に合わせてエアコンの設定温度調整や照明のオンを自動提案する、といった具合です。韓国のレビューを読んでいると「처음엔 귀찮았는데, 2週間で생활패턴을 거의 다 파악해버렸다(最初は面倒だったけど、2週間でほぼ生活パターンを把握してしまった)」という声が多く、学習の精度についてはおおむね好評です。
2. Matter経由のクロスエコシステム連携
前述のとおりMatter対応により、Apple HomeKit・Google Home・Amazon Alexaとも連携できます。「LG家電はThinQ ONで管理しつつ、照明はApple HomeKit経由でSiriからも操作したい」というハイブリッドな使い方も可能です。
これはSamsungのSmartThingsが先行して対応してきたエリアですが、ThinQ ONも遜色ない形でキャッチアップしています。SamsungのSmartThings戦略についてはSamsung SmartThings スマートホーム 使い方 2026年完全ガイドも参考にどうぞ。
3. ローカル処理によるレスポンスの速さ
クラウド依存のスマートホームデバイスの弱点は「インターネットが切れると何もできなくなる」点です。ThinQ ONはローカルで処理できる機能については、クラウドを経由せずにデバイス間で直接通信します。
エンジニアとしてこの設計は正解だと思います。スマートホームの信頼性はレスポンスタイムとダウンタイム耐性で決まるので、ローカル処理の割合が高いほど実用性が上がります。
4. タッチスクリーンによる直感的な操作
4インチのタッチスクリーンが搭載されており、スマートフォンなしでも基本的な操作ができます。外出先からはThinQアプリで管理、自宅ではハブ本体を直接タップ、という使い分けができる点は地味に便利です。
5. エネルギーモニタリング
接続された家電の消費電力をリアルタイムでモニタリングできます。韓国では전기세(電気代)の節約意識が高く、この機能はローカルユーザーから特に支持されています。「どの家電が電力を食っているか」を可視化できるのはスマートホームの基本機能でありながら、意外と実装が甘い製品が多いので、ThinQ ONがしっかり対応しているのは評価できます。
気になる点・注意点
正直なところも書いておきます。
LGエコシステムとの依存度が高い
ThinQ ONはMatter対応でオープンなように見えますが、実際のフル機能はLG家電と組み合わせたときに発揮されます。他社製品との連携はMatterの範囲内に限られることが多く、「LGを一切使っていないが導入したい」という方には少々持て余す機能が多いかもしれません。
クラウド依存機能の存在
AIルーティンの学習部分やOTAアップデートなど、一部機能はクラウドサーバーを経由します。ローカル処理を売りにしつつもクラウドゼロではないので、プライバシー面を極度に気にする方は注意が必要です。
日本市場での販売状況
2025年時点では日本への正式展開が限定的です。Amazonなどで購入できる場合もありますが、日本語サポートや保証対応については購入前に確認することをおすすめします。韓国語が読める方であれば、LGの韓国公式サイトからの情報収集も有効です。
どんな人に向いているか?
ThinQ ONが特に向いているユーザーをまとめます。
- LG家電をすでに複数台持っている(冷蔵庫・洗濯機・エアコンなど)
- スマートホームを本格的に構築したいが、複数のブリッジを使い分けたくない
- Matterエコシステムに乗り換えを検討している
- 電力消費の可視化・最適化に興味がある
逆に、Samsung家電中心の環境ではSmartThings Station、Apple製品中心の環境ではHomePodシリーズの方が相性がよいでしょう。
まとめ:ThinQ ONはLGスマートホームの「司令塔」として完成度が高い
LG ThinQ ONスマートハブは、Matter・Zigbee・Z-Wave・Thread・Wi-Fi 6・Bluetoothという主要プロトコルをすべて網羅した、現時点でLGが出せる最良のスマートホームハブです。
エンジニア視点でみると、Thread Border Routerの内蔵とローカル処理の優先設計が光ります。「使えるプロトコルの多さ」はスマートホームハブの将来性に直結するので、ThinQ ONはこの点で十分に投資価値があります。
一方で、LGエコシステムとの親和性が最大の前提条件であるため、LG家電を持っていない方にはやや過剰スペックになる可能性があります。まずLG家電を揃えてからThinQ ONを導入する、という順序が自然なステップだと思います。
2025年以降、スマートホーム市場はMatter普及の加速とともにさらに統合が進みます。その流れの中でThinQ ONは「LGの答え」として、十分に戦えるポジションにいると判断しています。
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